“未来は今と違っているはず。”
きっと、そうなのかもしれない・・・。
診察室。
期待を持たせない代わり、絶望させないドクターと自分。
目の前には検査結果。
「今の状態はまったく問題ないね。」
「この数値だとそうですね。」
「でも、薬は・・・、現在出ている新しい薬は、Curtisさんが使っている薬を使用してから
3年以内に切り替えないと効果がないみたいというのが見えてきてね。」
「じゃあ、俺は3年以上経っているから・・・。」
「うん、効果は無いだろうと思う・・・。
今のままの薬を使い続けて発症した時は、また入院して治療しかないみたい。」
「その都度?」
「うん、そうなるだろうね。」
「まあ、しょうがないですね。」
「あとね、もう一つ。今のままなら問題ないんだけど、
新しい知見が出てね。この体内の状態だと、癌の発生が多いそうなんだ。」
「二つの分かれ道ってことですか?」
「良くなることも分かれ道に入れて三つだよ。」
「そういえばそうですね。」
軽くふたりで笑う。
「それでね、監視のため検査体制強化したいんだ。」
「はい。わかりました。」
ドクターと次回のスケジュールの確認をして、診察室を出ようとしたとき・・・。
「・・・Curtisさん、これから先も治療方法は進むから。」
「・・・そうですね。」
病院のエントランスを出たとき、
先日、女友達から貰ったメールの一文を読み直す。
“未来は今と違っているはず。”
見上げた空は目に沁みるほどの青空。