外から静かな波の音が聴こえてくる。
ミニバンの運転席。
開けたサイドウィンドーから雪が振りこんでくる。
その雪が着ているダウンの袖にあたって
サラサラという音がエンジンを消した車内に響く。
静かに、静かに窓の外の海を見つめる。
そして静かに降り続く細雪。
疲れた・・・。
今週の仕事の多忙さ、そして多様さ、
プライベートの猥雑さにかなりまいっていた。
それで予定も無く、誰とも予定が合わない今日、
ひとり、海に来ていた。
仕事はいい。
報酬という対価以上の仕事をしている自負がある。
無理なオーダーでも全ては金のためだが、
確実に片付けていることで自信も誇りも得られている。
何があってもということを、自分の責と覚悟で決めてある。
そして稼いだ金で好きなことがやれている。
それで充分。
プライベートもなるようになる、
その一言とは別に確実に悩み事は片付いているし、
文武両道、だけど食い物や生活状況は最低という(笑)、
自分の目指す姿に進んでいる。
ただ、疲れただけ・・・。
"明日から晴れないかな。
クルマの後ろに積んだ真っ赤なデローザに乗りたいな。”
そんな簡単なことが今の望み。
でも、『全ては自分のなかで解決してやる!』
その律する強さと覚悟が無ければ、
これからもやっていけないって。