桜花ちりかひくもれ老いらくの来むといふなる道まがふがに
在原業平
桜花、散って辺りをかき曇らせよ、
『老い』が来るという道を紛えさせるように…。
PM3:30
用事を済ませたら、あとは自分だけの時間とばかりに、
SURLYのCross-Checkに跨る。
風はあるが、暖かい。
まずは西から吹く風に向かっていく。
・・・前だったら、『風が吹いているから走るの止めよう。』とか、
『近所をぐるっと回るだけ』などと根性の無い言い訳を言ってしまっただろう。
逆光の中、もうほとんど散ってしまった桜花が輝く。
いつものコース。南に大きく回り、そして東に向かう。
…やはり辛いこともあれば、楽しいこともある。
追い風だ。
ペダルの回転は速く、一定に。
無音の中、宙に浮いて移動しているような不思議な疾走感。
向かい風もあれば、追い風もある。
そう、取巻く世界そのままに。
ならば、あるがままに受け入れて立ち向う。
枯れてなんていられない。
そんな持ち堪えられる心が欲しくて、今日も僕は走り出す。