昨日書いたポルシェ考でいただいたなぎさんとKohkiさんのコメントで、
昔々911に付いて行った話を思い出しました。 書いたのは確か、2003年だったと思います。 かなり長文なので、お暇な方のみお読みいただければ幸いです。 猛吹雪の本日ですが、気分は真夏の深い森のイメージでどうぞ。 ***************************************************** パーン! バックファイアーの乾いた音が深い緑の林の中に響いた。 その日、車高調をセットしたM2 1001を、まだ思う存分振り回せるまでになっていない 自分をはがゆく思い、朝早くいつもの栗駒山に来ていた。 この山は宮城県、岩手県、秋田県にまたがっている。 ここあたりが昔は栗毛の馬の産地であったのと、 春になり、麓から山を見ると文字通り残雪が大きく馬の形になっていることから この名が付けられたようだ。 栗駒山へはいくつかのアプローチがあるが、いつものコースは398号線を 花山村のダム湖を見ながら中高速コーナーを走り、峠に向かう。 村営の温湯(ぬるゆ)山荘で缶コーヒーを飲み、気持ちを落ち着ける。 ここは寒湯御番所という昔の関所がそのまま残っているところでもある。 朝の静けさが沁みる。 一息ついたら出発。 温湯七曲りのとおりヘアピンが続き、そこをクリアすると2~3速でまわる 低速から中速コーナーがアップダウンで続く。 道幅は広い。 林を縫うようにコーナーを抜けると大きく山が現れる。 その目を奪う景色の雄大さに気を取られると、 次のコーナーへのアプローチが遅れてしまう。 危ない。 山を大きく展望できる砂利が敷いてある駐車場までくる。 日が高くなるとバイク乗りたちが集まっているが、まだ誰もいない。 ここから先がいつものステージとなる。最初の一本は慎重に。 最初に2速でのS字から大きく回る複合コーナー、そして右に大きくパノラマが広がる下り。 下りきったところからまた上りの中速コーナーが右に左に始まる。この上り始めるところには、 よくTVの温泉番組に出るランプの宿がある。そして秋田との県境にある長いストレート、 また高速から中速、低速コーナーとバラエティに富んだ道が 秋田へ下る道と山頂へのT字路まで、10km位のワインディングとなり続く。 ただ後半での各コーナーは注意が必要である。 長い冬季の雪の重みでコーナーの外側がうねっており、 知らずにハイペースで攻めると肝を冷やすことになる。 T字路からは山頂方面への須川湖まで景色を楽しみ、 須川温泉へひとっ風呂浴びて、 ここの湧き水で作られた仙人ビールを飲むのもいいだろう。 また、秋田側に降りて小安峡に向かい、 ここでの温泉や渓谷の景色を遊歩道で楽しむのも良い。 しかし、今日の目的は違う。 来た道を最初の駐車場を目指しペースを上げ戻る。 この道を3往復すると一般車が出てきた。 まあ、この01をいい感じで走らせることも出来た。 帰ろうと最初の駐車場から出て下り始め、 コーナーを2つほど抜けると車高の低い白い車が見えた。 追いつく前に車種は気づいていた。 ポルシェの911ナローモデルだ! 後ろにつくとロールケージが小さいリアウィンドウから覗け、車高も落としてある。 かなり気合が入ってる。後ろのエンブレムが911Sの文字を誇らしげに光らせる。 車重はこの01と同等かやや軽いくらい。パワーは’69の2リッターとして170ps。 面白いことになりそう・・。 911のドライバーもルームミラーでこちらを見ている気がした。 前を塞いでいたトヨタのRVが、後ろの2台のスポーツカーの雰囲気を察したのか道を譲る。 その瞬間、911の2+1のマフラーからバックファイアーが! その音がスターターとなり白と濃紺の2台が猛然と走り出す。 911ナローのグッとテールを落とし、駆け抜ける姿は後ろから見ていても素敵だ。 ブレーキング、3速から2速へシフトダウン、コーナーを回る。そして加速、シフトアップ。 2台は揃ってコーナーをクリアする。 立ち上がりからストレートでは911だが、コーナーリングスピードではこっちだ。 暫くこの気持ちの良いリズムで2台のダンスが続く。 が、右へ90度に曲がる感覚のコーナーで911が突っ込みすぎ! こちらもハードブレーキ!アウトに逃げる。何とか2台とも無事に止まった。 自分も向こうのドライバーもサングラスの中の目が笑ってる。 “やっちまった。” 向こうから先に行けとの合図。前後を入れ替えまた走る。 また、懲りずにお互いペースアップ。しかし、夢のような時間もおしまい。 花山村に降りて来てペースダウン。そして別れ道。 どちらともなく手を上げ、2台は右と左に別れた。 去年のこの憧れの車と走れた出来事は私は暫く忘れられないでしょう。 今年はどんな車と出会えるのか楽しみでいます。 ******************************************** 鮮やかな思い出ですが2007年の今じゃあ、こんな走り方はもうしていません。 クルマで飛ばすよりも、自分の足を使って自転車で走るほうが楽しくなったし。 でも、今でもあの熱さは残っているかも。
by curtis_01
| 2007-02-15 22:01
| M2 1001
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