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Before lateshow.

氷をたっぷり入れた大ぶりの素焼きの湯飲みに芋焼酎。
氷が溶けてちょうどいい塩梅だ。
目の前の小皿には、“蕗の薹”を味噌で甘辛く炒った“ふき味噌”。
酒の共にはコレで充分。
開け放した窓からは隣家の梅の木のそこはかとない花の香り。



「少しやせた?」
伸ばした指先で僕の頬をそっと撫でる。

昨晩、映画のレイトショーの前。
腹ごしらえにと中華料理屋で向かい合わせに座って点心を食べていた。

「そうかな?」

「相変わらず自転車に乗っているんでしょ?」

「うん。」

「私と遊ぶヒマは無いってのに、ヒドイ!」
君は顔を手で覆って下を向く。

「おいおい。」

「・・・なーんて、馬鹿なことは言わないわよ。」
手を開け、舌を出してくる。

「昔からあなたは何かに夢中になっているほうがいいわ。」

「そう?」

「うん、ツマンナイ男になるくらいなら、ほっつき歩いていても
好きなことしてくれたほうがいい。」

「すごく男に対して理解のある発言なんだけど・・・。」

「ううん、違う。
 その方が私にとって厭きない相手になる気がする。」

「厭きない相手ね・・・。でも、自転車乗ってスリムになったけど、
かなり顔の肉落ちて老けてきたよ。」

「見た目なんて私には関係ないわ。それって若いコの価値観よ。」
くすっと笑って君は言う
「見た目より、どれだけ好きなことに夢中かが大切よ。」

「君は男にとって理想に近いよ。」

「でしょ?だからたまにはこんなふうに誘いなさいね。」

「はい、はい。」

「“はい”は一回よ。」
にっこり笑いながら君は言う。

「はい。」
二人で笑い出す。


そんなひとときを思い出しながら、ふき味噌を一口。
芋焼酎を一口。

ちょっと考え込む・・・。
出た結論。

どちらも僕には大切な時間。
自転車に乗っている時間の次に。
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by curtis_01 | 2008-03-30 23:58 | 徒然草

moonlight.

静寂と蒼のモノトーン。

真っ直ぐな道が月影に照らされ延びている。
ただ静かにペダルを回し続ける。
ふと、脇を見ると自転車と自分の淡い影。

海まで来た。
弾む息が白い。
海面には蒼白い月までの道。

静かに手を合わせる。
今日は、唯一無二の親友の命日。




梅の香に偲ぶ面影去りがたく夢と思えど澄める月かな
                             虚空
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by curtis_01 | 2008-03-21 22:58 | 自転車

自転車馬鹿の『雨』の休日。

仕事をすると必ず雨が降る死神の彼とは違って、
意外と休日に晴れる俺なのに今日は春の雨。

朝一に、昨日、取引先の若い奴が頼んできたヘルプに向かう。
もちろんサービス出張ね。彼との友情のために。
ふたりで、パソコンとにらめっこ。

「Curtisさんって結婚してるんでしたっけ?」
「一応してるよ。」
「一応ってなんですかぁ?」
「家を出て、一人暮らししてるしなぁ・・・。休日に帰るくらいだからね。」
「マジっすか?ヤバイんですか?」
「ヒトのこと良いから、手を動かせって。」
「すんませ-ん。それにしてもずーっと独身だと思っていた。
 今日の格好も若いしって、絶対結婚しているまともなヒトに見えないっすよ。」
「どこがだよ。いつも是で自転車乗って通っているんだぜ。」

今日の服はかなり派手な明るいグリーンのパタゴニアのジャケット。
パーカーとジーンズ。
ブラウンのニットキャップにrh+のサングラス。

「でぇー!それで仕事も?」
「まさか。事務所のロッカールームでスーツに着替えるよ。」
「ですよねー?!」
「いいから、終わらせろって。」

と言ってる間に、彼の上司の希望通りの資料作成終了。
感謝されながらも帰り道・・

“天気悪いし、自転車乗れないなぁ・・・。”
いまから誰か誘うってのも面倒だし・・・。
ということで、デローザをミニバンに積んでショップに。
この頃走り込んでいる所為もあって、ポジションを見直したかった。

シューズを履き、ローラー台に載せたロードバイクに跨りペダルを回す。
それを見ながらサドルの上下、前後位置、ハンドルの位置を修正してもらう。
暫定セット終了。これでちょっと走ってみることに。

ついでに、バーテープを変えてみる。
シルバのレッドのコルクテープ。
「出来ましたよ。」の声で振り返ると、

・・・・・ロードバイクが真っ赤っか。
・・・別な地味なカラーにすりゃあ良かったよ・・・。

まあ、消耗品だし、また直ぐ変えようっと。
このセッティングで明日は走れるかなって天気予報チェック。



・・・・・明日、暴風警報。
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by curtis_01 | 2008-03-20 19:46 | 自転車

うぐいす。

昨日のツーリングで脚に乳酸が溜まっているのか動きが重い。

ちょっとした用事のため、今日は休みなのをいいことに、
とっとと用事を済まして帰ってきて、ロードバイクを部屋から出す。

軽いギアでゆっくり走って乳酸抜きをしよう・・・。
って、走りたいだけなんだけどさ。
花粉症って言葉も知らないことにしよう・・・。

右足をパキンとペダルに嵌めた瞬間、うぐいすの鳴き声。
そのまだたどたどしい鳴き方におもわず笑みがこぼれる。

きっと、彼の鳴き声がスムーズになる頃には桜が咲くんだろうな・・・。



花の咲く こよみになれど 咲きがたく おぼつかなく問う 春告鳥よ
                               虚空
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by curtis_01 | 2008-03-17 22:39 | 自転車

ありえない。

昨日仕事した分、今日は思いっきりロードバイクで走ってきました!

実家の栗原から野蒜海岸→松島→大郷→大和
→旧三本木→旧古川→旧田尻→栗原

走行距離:107.96km
走行時間:4h16m11s
平均速度:25.3km/h

・・・もうちょっと、スピード欲しいな・・。

基本的にアップダウンのある道をセレクト。
で、つくづく思ったのはヒルクライム(坂を上ること)は苦手かも・・・。
んー、トレーニングしないとなぁ・・・。


それよりも、野蒜海岸でいつものように休んでいるときに衝撃が!

堤防にロードバイクを担いで上がって、脚を伸ばして
釣りをのんびり楽しむおじさん、ビーチバレーの練習をしている女の子たち、
ゆっくりと海辺を歩くカップル、犬と散歩を楽しむ女性、
そんなリラックスしている人々、海鳥、空と海を眺めて
“ああ、気持ち良いなぁ・・・”などとこころが軽くなっていくのを楽しんでいると・・

“あれ?目がかゆい。うっわっ!涙がボロボロ落ちてくるんですけど!!”
“ぎゃあーーー!目が、目が開けられんぞ!”

その後、ティッシュで涙を拭いて、自転車に付けてあるボトルの水で目を洗うと
少しはマシに・・・。

その後走っているときいいんだけど、停まったり休憩しているときは、
もう、かゆくてかゆくて涙ボロボロ・・・。


・・・・・これってさ、・・・・・もしかしてさ、
・・・・・自転車馬鹿がかかっちゃいけない病気じゃないのか?
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by curtis_01 | 2008-03-16 18:24 | 自転車

梅。

ドアを開け、部屋を出る。
暖かく気持ちのいい空気。

cross×checkを担いで階段を下りようとしたとき、
隣の家の梅が数輪咲き始めていたのに気づいた。

春。

自分の顔に、ふっと寂しく笑みが浮かぶのが解る。
出会いも別れも道程のなか。
せめて、日々流れていくすべてに微笑めるように。



日差し咲き 空に知らせる 梅の花 君への想い隠し切れぬと
                            虚空
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by curtis_01 | 2008-03-15 19:12 | 自転車

白い朝の日差し

AM8:00

サービス休日出勤。
既に仕事始めて1時間経過。

事務所が移転してから、俺には何個かあるICキーのひとつが渡されている。
事務所を好きな時に開けて好きに仕事してていいよって感じ。
まあ、いいように使われている気がするけど、これはこれで快適。

今朝は天窓から差し込んできた朝日が眩しくって目が覚めたとき、
静かにひとりで仕事でもしたいなって思ってここに来た。

スズメの鳴く声。
空調の音。
たまに通り過ぎるクルマの音。

ここはメインのストリートから
一本ブロックの中に奥まっている所為で、結構静か。

右に視線を逸らすと雲ひとつ無い青空。
白い強い日の光が広い窓から差し込んでいる。

ロードバイクで走っても良かったかな?
ちょっと後悔。

さて、頑張るか。


すずめ鳴き白く差し込む日のひかり静けさ覚え我を覚まさす
                             虚空
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by curtis_01 | 2008-03-15 08:11 | 徒然草

“I'm here.”

「久しぶりね。」

「そういえばそうだね。」
軽く笑いながら答える。

居酒屋。
それぞれの杯を掲げて乾杯したあと。

「でも、おもしろいよね。」
「なに?」
「うん、なんかさ。あなたって、半ノラみたい。」
「え?なにそれ。」
「半分野良猫。
 飼い猫だと思っているのに、いつもどこに行っているかわからない。
 なのに、気づくと隣にちゃっかりいたりして。」
くすくす笑いながら君は言う。

「そうかなぁ・・・。」
「うん、絶対そう。」

そこに流れてきた曲。
女性ボーカルに被せてハスキーな男性のラップ。

「でもね。この曲のように、私はここにいるよ。ずっと。」

“言いたいこと解るでしょ?”
そう言うように、微笑んだ君。


男が女に敵わない瞬間・・・。
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by curtis_01 | 2008-03-11 20:47 | 徒然草

青空のような

ペダルにシューズを固定するときにクリートというビンディングを嵌める。
その時に『パキン』という青空のような小気味のいい音がする・・・。



昨日、外せない用事で帰ってきた実家のカーテンを開ける。
雲ひとつも無い。まるでクリートを嵌めたとき音のように心地よく
どこまでも澄み切った青空だ。

朝食をとり、早速ロードバイクを部屋から外に出す。
タイヤの空気圧調整。異音が無いかのチェック。
以前、走って気になっていたサドルの位置を5mmだけ上げてみる。
着替えて、ヘルメットを被り、サングラスを掛ける。
右足をペダルに嵌める。
ちょっと空を見上げる・・・。
“春の海が見たいな・・・。”
左足を踏みおろしながら、クリートを嵌め、走り出す。

南東に向かう。
風は追い風。
30km/h以上のスピードが出ているのに、周りは無風状態。
サドルの位置はベストになったようだ。
ペダルを回すときの脚のもたついた感じが無い。
痺れるような快感が胸を突く。

着いたのは、砂浜が広がる海岸。
クルマ二台分の幅がある堤防にロードバイクを担いで上り、
左手に海を眺めながらちょっと走ってみる。

程好い場所で、バイクをそっと倒し、脚を伸ばして座る。
携帯電話をサイクリングジャケットのバックポケットから取り出す。
ヘッドホンを取り付け、耳に差し込む。
静かに流れるピアノの音。
静かに流れ出す女性ボーカルの声。

疎らに人たちが、思い思いに過ごしている。
犬の散歩をしている。
カップルが海辺を歩いている。

キラキラ光る海面。
白い波頭。
目を上げると海鳥が風を受け漂っている。
じっと見つめていると、青い空の中にその白い姿が溶け込んでいく・・・。

ふと、右手を見ると、100mぐらい離れたところ、
俺と同じようにロードバイクを担いで堤防を上がってくる姿。
“同じような奴がいるんだな・・・”
バイクをそっと倒して、座ってふっと空を見上げた姿。
後ろで縛った長い髪が揺れる。

“女性?・・・”
軽い驚きがそっと胸をなでる。

そのまま、また海を眺める。
4曲分そうしていただろうか。
右手を見るとさっきの女性がまだいた。
バイクに跨り、近寄っていく。

「こんにちは。」

ちょっと驚いた顔が、笑顔に変わり
「こんにちは。」
と返してくる。

20代前半だろうか?
キャップを被り、クリアに近い薄い色のサングラス。
その瞳、小柄なスタイル、可愛い女性だ。
足元のバイクはピナレロのFP5。
ブラックのカーボン地にブルーのカラーリングが
シャープで素敵だ。

「FP5!素敵なバイクですねぇ。」
「学生時代はツーリング用のバイクだったんですが、ロードに乗りたくなって・・・。
 ボーナス全部つぎ込んじゃったんです。」
軽く舌を出し、お茶目な表情をする。

「友達には、自転車にボーナス使うなんて頭おかしいとか言われちゃったんですけど・・・。」
ふふふと笑う。

「いいじゃない。自分が気持ち良くなることに金を使うって。格好いいよ。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、ずっと自転車に乗っているんだ?」
「ええ、学生時代はツーリングばっかりでした。
 そのデローザも素敵ですね。」
「ありがとうね。俺は自転車は2年ぐらいなんだけど・・・。」
「え?1台目にそれですか?」
「ううん。MTBからツーリングバイク、そしてスピード出したくなってコレ。」
「あ、それ解ります!それで私もこのバイク。」

しばらく、自転車、住んでいる仙台のことで話が進む。

「身体が冷えてきましたね。」
「うん、俺も走り出そうかな?」
「今日はどれくらい走るんです?」
「100kmは走りたいな・・・。」
「ええ!すごい。」
「でもないよ。結構みんな走っているよ。」
「そう?」
「うん。じゃあ、君も楽しんで。」
「ええ、また。」

ちょっとした会話がこの日差しのように明るい気分にさせてくれた。
また、ペダルにシューズを嵌め走り出す。


c0076652_20264748.jpg

今日、一日で96km。
彼女に言ったように100kmは
走れなかったけど、
今日の青空のような・・・
こころが晴れた休日。
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by curtis_01 | 2008-03-09 20:05 | 自転車

春日差し

SURLYを担いで部屋を出る。
日差しは明るい。

階段を下りると、上には見事な青空が広がっている。
醒めて、覚めて、こころが軽くなった今のように。

cross×checkに跨り、ひと踏み。
さあ、風のように軽やかに
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by curtis_01 | 2008-03-06 08:16 | 自転車