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蜩の声のなかで

人もがな見せも聞かせも萩の花さく夕かげのひぐらしの声
                            和泉式部

  人がいてくれたなら…
     見せもしたい、聞かせもしたい
         この咲いている萩の花、夕日の中の蜩の声を…


濡れ縁に座って夕涼み。

UAの33rpmで裏山から西に抜けて、
杉を切り出す林道をほんのちょっと散歩という程度走ってきた。
シャワーの後は、やっぱりキンと冷えたビールだ。

お盆の上には汗をかいたグラス。
濃いグリーンの缶から注いだビールが夕日に照らされる。
そよと吹いてきた風が、一時の涼しさを知らせてくれる。

蜩の声が周りに響く。
いつ聞いても、遠い昔への郷愁を呼び起こす声。

親友は彼岸へ旅立ち、恋人は自分の所為で失って、
ますます傍にいて欲しいと思う気持ちを繰り返す。
せめて、時も繰り返せたならいいのにと。


いにしへのしづのをだまき繰返し昔を今になすよしもがな
                “伊勢物語 第三十二段”より


  古の布を織る糸巻きのように繰返し、
       昔を今にする方法があったらいいのに…
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by curtis_01 | 2007-07-29 13:00 | 徒然草

地平線

数年前のこと。
シカゴからセントルイスまでバスに乗った。
ひたすらに長い直線の道。
空調の効いた車内から外を眺める。

ホワイトの板張りの壁とグリーンの縁の窓の農家。
軽飛行機用の飛行場。
遠くに見える地平線。

それは憧れていたアメリカの景色、そのものだった。

あー、馬鹿馬鹿しいくらいデカイ古いアメ車で
あんな真っ直ぐのアメリカンハイウェイを走りたいなぁ。
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by curtis_01 | 2007-07-21 21:05 | 徒然草

return

夢よりもはかなきものは夏の夜の暁がたの別れなりけり
                        壬生忠岑

   夢よりもはかないものは、
       夏の夜明けのあなたとの別れなのです。



一夜限りの逢瀬では、自分の気持ちが伝えられたのか解らない。
また、離れて過ごす日々。
僕は学生で、君は社会人。
そんな生活の中の物事へ覚悟の違う二人。
離れた日々は、そのまま心の距離になる。

昔の夢を見た。
なぜだろう、心が後ろを振り返っている。
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by curtis_01 | 2007-07-16 13:04 | 徒然草

・・・暗い

先週金曜日のお話。

翌朝はUAの33rpmで山に走りにいこうとpm11:00頃家に着いた俺。
自分の部屋の電気をつけようとしたら・・・・・、照明が、ライトが無い!!

カミサン「あ、ごめーん。子供部屋のほうが壊れちゃって付け替えしちゃった。
      もう、家に居ないからそのままにしちゃったわ。 で、欲しい?」

Curtis「・・・・・いらない。」

携帯の明かりで布団敷いて寝ました。
単身赴任しちゃうと、こんなもんです。(涙)
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by curtis_01 | 2007-07-15 16:42 | 自転車

夏の思い出

今にも雨が落ちてきそうな空。
控えめな音量だが、弾ける排気音が幌を開け放した車内に響く。
カーラジオからはケツメイシの『夏の思い出』が流れてきた。
その歌詞にちょっと思い立ち、行き先を変えることにした。

防風林脇の駐車スペースにクルマを停める。
道を渡り防波堤を上がる。
視界いっぱいにグレーの雲と海が広がった。

こんな天気なのに広い浜辺の彼方此方にカップル達の姿が見える。
遥か昔、自分達もあのひとつの影だった。


夏の終わり。
濃い青をバックに高く白く輝く積乱雲。

当時の愛車は、5万円で買った白いカローラセダン。
当然、エアコンもカーステも無い。
窓を開け放し、後部座席にはラジカセ。
そんなおんぼろなクルマに明るく笑って乗ってくれた人がいた。
それまで付き合ってきた中で海が好きなのは彼女だけだった。

波は既に高くなっている所為で海水浴客は少ない。
白いワンピースの彼女の手をとり、浜辺を歩く。
他愛の無い話に二人は笑いあう。
思ったより伸びてきた波がサンダル履きの足にかかる。
かわいらしい悲鳴を上げて、スカートの裾を持ち上げる彼女。
それを見て笑う自分に、波を蹴り上げ海水をかけてきた。


彼女とのそんな青と白の幸せな記憶。
グレーに横たわる静かな海を眺めながら思い出すのも悪くない。
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by curtis_01 | 2007-07-14 17:21 | 徒然草

Rock to the mind. "33rpm"

ちょっと傾斜が緩くなってきた。
スピードが落ちるとともに、
口の中に入った泥を唾とともに吐き出す。
既にバイクも全身も泥だらけだ…。


毎日パソコンの画面を見つめて仕事をしていると、
自分自身もOSっていう国の中のフォルダーっていう会社にある
ファイルという部署で簡単に変更されたり消される
データのような気がしてきた。
いくら街の中をCross-Checkで疾走していても
纏わりついてくるクルマとヒトの多さ、
そしてしがらみっていうツマンナイものにウンザリしてくる。

そんな日々が続くと、土の匂いが嗅ぎたくなった。

昨日夜遅くにアパートから家に帰って来ていた。
朝早くからMTBのUN AUTHORIZED 33rpmで出かけるためだ。
目指したのは、以前は愛車M2 1001で週一走り回っていた栗駒山。
そこの林道をひたすら走ろうと思った。

林道まで片道30㎞のアスファルトの上を走る。
日差しは明るく、久しぶりの青空に絹雲と積雲が気持ちよく流れている。
鳥の鳴き声。
緑の濃い杉山。
今年初めての蝉の鳴き声。
澄み切った渓流。
耳にするもの、目に映るものを楽しむ。
全てが微笑んでくれている。

林道に入ると、雨の跡が残って所々に水溜り。
そして山からまだ流れ出る水に路面はウェット。つまりぬかるんだ土。
これが結構体力を奪っていく。バイクも服もたちまち泥だらけだ。
水の流れと、鳥の声、蛙の声。音量は結構あるのに静かに思える。
緩やかな傾斜を登って、つり橋を渡り、滝を見るのが目標だったのだが、
山の斜面を直径5mくらいの岩が何個も落ちてきたらしく、
つり橋は盛大に破壊されていた。

“しょうがねぇ。”
肩をすくめて、そのまま山の奥に向かって進むことにした。

暫く5㎞ほど進むと、路面はぬかるんだ土から、ガレ場という風情の大小の石に変わった。
そのうえ凹凸が多く、傾斜もかなりきつくなる。
横を流れる渓流は岩に当たって派手な音を立てて流れている。
とうとう33rpmを降りて押し始める。
道の脇には一本の茎に柔らかい白い小さな花がたくさん塊りになって咲いているのが
湿布のような香りを周りに漂わせている。
その香りが、こんなときなのに中学時代の陸上の練習を思い出させる。

登山道の分岐まで来た。
道標ではここまで13㎞と書いてある。
この先はバイクをほとんど担ぐことになりそうで、折り返して降りることにした。
…が、今までバイクを押して上るような傾斜だ。それに石だらけの凸凹路面。
今までに体験したことのないオフロードのダウンヒル。
ペダルを漕がないのにスピードが乗る。
恐怖に思わず声が上がる。誰かが聞いたら悲鳴とも歓声とも聞こえただろう。
タイヤが巻き上げる泥水はさっきよりも凄まじい。
体中が振動で震えている。
でも暫くすると、このスピードそれが快感になってくる。

林道の始めまで無事に降りて来ることができたが、
苦労して登ったのが一瞬で終わったような気がして
あんなに恐かったのに、ちょっとつまらなく思えてしまう。

麓の道の駅まで下りてきた。
赤い木製のベンチに33rpmを立てかけ、その脇に座る。
脚を伸ばし、青空を仰ぎ見る。
顔が笑ってくるのがわかる。

“うん、最高!”

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by curtis_01 | 2007-07-07 21:03 | 自転車