秋晴れの下で

山あいの道を抜けて、
風力発電用の風車が立ち並ぶ村の辺りに来ると、
景色がフラットに広がり始める。
道は広く、まっすぐに延びている。

日差しが明るい。
高い青空を絹雲が飾る。
気温は高いが、ミニバンの開け放した窓からは
乾いた風が入ってくる。
流れる音楽は、Bruce Hornsby and the Range.

海沿いの公園に着く。
クルマから真っ赤なロードバイクを降ろし、
タイヤの空気圧のチェック。
脱いだワークパンツの下は既にレーシングパンツ。
ヘルメットを被り、グラブを嵌める。
シューズをはき替え、ロードバイクにまたがる。
右足からビンディングペダルにはめ、踏み込む。

その瞬間、自分の身体の重さが無くなり、すっと前に進む。
“羽が生えたように”とは本当にピッタリの表現だ。
そのままスピードを乗せて海岸線沿いの道を走る。

久しぶりに日差しの下でロードバイク。
まだ、左の大腿部に違和感があるのが気になるけど
顔が笑ってくるのがわかる。

1時間以上走って、クルマに戻ってくる。
小説から目を上げ、開けた窓から君が笑いかけてくる。

「楽しかった?」

僕もにっこり。
答えは決まっている。
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by curtis_01 | 2008-09-15 17:35 | 自転車
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