仙台七夕。

「よくさ、仙台七夕って一度見たら、もういいって言うじゃない?」

吹流しを掻き分けて歩く僕ら。
防犯上とか、事故防止とかで仙台七夕の吹流しが
今のように短くなく、下に立っている人の腰くらいまであった頃の話だ。

「あぁ、確かに言うよね。特にここに住んでる人とか。」

「そうそう。でもさ、わたしは毎年見ても飽きないって思うの。」

「きれいだから?」

「それもあるけど、毎年違うの。飾りも吹流しも。」

「そう?」

「うん、よく観なさいって。
 これって飾る人たちの観る人が喜ぶようにって気持ちがこもっているの。」

「それはそうだな。」

「人に観て喜んでもらうために飾るだけってステキよ。なんか、ピュアなお祭り。」

「語るねぇ、七夕について。」

「だって、子供の頃から大好き。物心つく頃、親に連れられて観てからね。」

「俺もちっちゃい頃、本家に来た時に、親に連れられてここを歩くって好きだったなぁ。」

「きっとね、これから先、誰と歩いてもこの吹流しを掻き分けて歩くときはうれしいと思うんだ。」

「うん、そうかも。」

「でも、今、あなたと七夕を観ているこの時が一番うれしい。」

「照れるってぇ~。でも、俺も。」

見つめ合って次の吹流しを掻き分ける。
そして、吹流しが周りから二人を隠した瞬間、お互いに顔を近づけた。


ねえ・・・、
君は今年も誰かと七夕を楽しんでいる?
僕は今も、隣に誰がいたとしても、あの年の七夕を思い出すんだよ。
[PR]
by curtis_01 | 2008-08-07 22:53 | 徒然草
<< 青い海、蒼い空。 creator. >>