夢 -覗く-

クルマを運転している。
着いた所は古い木造の建物。

会社に入ったばかりで、出張中なのだろう。
クルマと建物が古い記憶に一致する。

クルマから降りて、建物の中に入る。
ワックスの滲みこんだ木の床は意外としっかりしている。
引き戸を開けると、様々な薬品の匂いが身を包む。
上着を脱ぎ、白衣に着替え、検体を取り出し、
顕微鏡検査の準備に取り掛かる。
検体を染色し終わって、顕微鏡にスライドガラスをセットする。
そして覗きこむと・・・・。


・・・暗転。


白い光が差してきたと思ったら白いスクリーンを
真剣にそして楽しそうに覗く白衣の自分。

顕微鏡に付けられたカメラから送られてくる映像。
スクリーンには透明な丸い物体が。

・・・学生時代だ。

灰色のマウスと白いマウスの受精卵をニコイチにして
キメラマウスを生みだそうとしているところだ。
スクリーンと手元に集中して作業をしている。
と、見つめていたスクリーンの映像が歪む・・・。


「起きたの?」
かすれた声がする。

ぼーっとしている頭が、状況を確認する。
どうやら風邪の看病をしながら、自分も寝たらしい。
「うん、起きた・・。寝ちゃったんだな。気分はどう?」
「少しいいわ。」
「そう。なんか欲しい?」
「別にいい。・・・あなたも眠かったら寝てね。寝ているのも楽しいし。」
「楽しい?」
「うん。」

彼女は、じっとこちらを見つめている。
まるで、いままで僕の夢を覗き込んでいたかのように・・・。
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by curtis_01 | 2008-02-17 18:00 | 徒然草
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