散りゆくに

カサッ、カサッ・・・
足を前に運ぶたび、心地のいい枯れ葉の乾いた音がする。

昨日の自転車レースで落車して打った左腕と肩の診察を受け、部屋に向かっていた帰り。
クルマのカーステレオから、ピアノと女性ボーカルの静かに雫が落ちるような調べ。
ふと、冬が近い晩秋の山で、紅葉が終わった木々から枯れ葉の散る姿が見たくなった。
自転車でレースの後などは、軽いギアで脚を回し溜まった乳酸を抜く回復走というのをする。
今日は心の回復走だ。

クルマの向かった先は、M2 1001に乗っていたとき、
晴れてさえいれば週末の土日は走り回っていた山。
それだけに、季節ごとの山の様子が手に取るように解る。

01とは違う今のクルマで、何かを探すようなゆっくりしたスピードで木々の間を縫って走る。
午後2時というのに、夏に比べてかなり低い位置からの日差しは、
黄色や、錆び色の木の葉を透過して柔らかで、そして寒さを感じさせる。

ここを走っていたとき、右手に大きく山を眺められる大好きだったポイントに着いた。
クルマを降り、枯れ葉を踏みしめながら
対向車線側の、急で標高のある崖に張り付くガードレールに近寄る。
ガードレールという割には、華奢な奴だ。
まるで、ここから先を選ぶのに止めはしないとでも言うように。

山の冷気がフリースとウィンドブレーカー姿の自分を抱きしめる。
かすかに聞こえる鳥の声。
目の前に広がる大きくうねる山の姿は、既に紅葉も終わり、
葉が落ちた木の灰色とまだ葉の残る錆び色で落ち着いた風情を見せる。
よく、大きな自然の姿を見て心が洗われるというが、そんなことは全く無い。
ただ・・・、ただその存在感を感じ、心が流れるままに自問自答するだけだ。
紅葉が色褪せて、葉が散るようにそのまま想いを絶つように。
暫くそんなことを考えて振り返ると、
奇しくも静かに木の葉が舞い降りていた。


  散る花に想い重ねた言の葉は枯れて散る葉と変わりゆくかな
                      Curtis
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by curtis_01 | 2007-11-05 22:22 | 徒然草
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