秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
藤原敏行
秋が来たと、目にははっきりと見えはしないけど
風の音に、はっと、秋が来たと気付いたよ。
風がさやかに吹いてきた。
蒼い夜空にくっきりと月が昇っている。
ヘッドフォンから静かに流れるRockより、
外からの虫の音が大きく聞える。
ここ2、3日でドアがパタンと閉まったように
急に夜が涼しくなった。
こんな夜は、SURLYのCross-Checkで街の中を散歩。
月に向かって大通りをクルマの流れに乗って走る。
気が向けば裏道に入ってみる。
怪しげなネオンと呼び込みの声に苦笑する。
裏道を出て、渋滞気味の大通りをクルマを追い越して走る。
着いた所は広瀬川に掛かる橋。
そっと風が身体を包み込む。
川の水面を、木々の葉を、月が照らす。
ふうっと、ため息。そして、笑う。
こんなふうに過ごす夜も悪くない。