お盆前に。

01をガレージに入れる。
助手席のコンビニの袋を取り、クルマを降りる。

奥にしつらえた棚には、写真が一枚飾ってある。
また、今年も盆を迎える。

学生時代。
ある年の初秋、暇を持て余した友人3人で八幡平縦断を行った。
ただ、クルマににガソリンを満タンに入れただけで、
地図も持たずに東西南北をたよりに出た。
当然のように、山の中で道に迷った。
闇雲にあっちだ、こっちだと言いながら、最後に田沢湖に辿り着いたという、
いまだに何処を走ったのかわからない、そんな無茶なツーリングだった。
そのときの記念にと、二人ずつ組み合わせて撮った写真の一枚。
親友と自分が笑ってカメラに向かっている姿がある。

その思い出に苦笑しながら、
今年もコンビニの袋からサントリーのモルツを取り出す。
写真の前に置く。
静かに手を合わせ、目を閉じる。

奴とは、大学の入学式のとき、苗字の一文字が同じ所為で
前後に並んでいたのが始まりだ。
同郷ということもあって、それから3年間、殆どどちらかの部屋にいた。
奴の部屋の冷蔵庫には必ずこのビールが入っていた。
キリン派の俺とは、これをネタによくやり合っていたものだ。

大学最後の年を迎えようとする、あの早春。
本当の号泣とはどういうことなのかを知った。

目を開け、もう一本、袋に入っていたキリンを取り出す。
蓋を開け、写真を見つめながら、目の前にかざす。


今日だけは、昔のように。
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by curtis_01 | 2006-08-11 19:17 | 徒然草
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