自転車馬鹿、桜花に想う。

金曜日、昼休みを告げる時計のチャイム。

ふと、PCから目を離し窓の外を見ると、
仙台で桜の名所の一つである公園は桜が満開。

まだこの部屋の天井もエアコンが落ちて3つもの大穴があいたまま。
俺もスーツなど着ないでパーカーにジーンズで通勤。

それだけに桜色の濃淡に染められた丘全体が際立つ。
多くの悲しみに覆われた地でも春は来るんだね。

「桜、咲いたんだねぇ」とつぶやくと、

「屋台が出てるみたいですよ」と、娘1。

「なんか昼飯のおかずを買いに出ようか?」

「気分転換に行きましょう!」娘2が明るい声で応える。

3人で連れだって行くと、『がんばろう、東北!』ののぼりが並んでいる。
屋台は日中のみで、夜は節電のためやっていないとのこと。
屋台前に並んでいるテーブルや彼方此方のベンチには
子供連れ、老夫婦、OLたちが座って、花を愛でながら静かな笑顔。

からあげやイカ焼き、餃子の大きいような焼餅(シャーピン)を
娘たちとわいわい言いながら買う。

会社への帰り道、桜を見上げて
「震災がなければ、この桜は見れなかったんだなぁ」

「そういえば戻るんですもんね」
しみじみと娘1が言う。

3月11日pm1:30、出向元の異動内示が発表。
それには俺がこの会社から出向元の管理部に行くことが明記。
「curtisさんが換わるんだ!」
と部屋のみんなが騒いでいるときにあの地震。
現在、震災の影響により2カ月延長。
本来なら、ビルだらけの窓の外を観ながら
この景色を思い出しているところだった。

劉廷芝の『代悲白頭翁』の一節を思い出す。

古人無復洛城東
今人還対落花風
年年歳歳花相似
歳歳年年人不同

“洛陽城の花を楽しんだ古人たちは既に無く
 今、私たちが風に花散る様を観ている
 年年歳歳、花は同じように咲くけれど、
 歳歳年年、その下で花を愛でる人は変わっていく”

桜花が人々の心に優しく届きますように。
思い出す懐かしい景色に心を痛めませんように。
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by curtis_01 | 2011-04-16 20:46 | 徒然草
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